写真提供/辻 隆宏

Tsuribina

つりびな

墨俣の春を彩る日本の伝統美

美濃路の墨俣宿界隈では、春になると吊るし雛(つりびな)が町を彩ります。

町の人が着物の古布で縫い上げるかわいらしい雛飾りは
花・野菜・人・動物など、魔除けや発展の縁起もので
子どもの健やかな成長への祈りを込めて一本の糸で繋げられます。

「つりびな小町めぐり」は、古き良き街道の繁栄を今に伝えるすのまたの春の恒例行事です。

写真提供/金森 正裕
写真提供/coco.hina_mama
大垣市墨俣一帯をスタンプラリーで巡る
つりびな小町めぐり

2月下旬から3月の桃の節句頃まで、美濃路・墨俣宿では街歩きのお祭り「つりびな小町めぐり」が開催されます。
20か所以上の寺院や家の軒先に下げられた吊るし雛をスタンプラリーで巡るお祭りで、着物で街歩きを楽しむ人から赤ちゃん連れのご家族まで、幅広い年代に親しまれています。
期間中は落語の寄席や大道芸、手づくり紙芝居やとれたて野菜の朝市など、日替わりで楽しめるイベントが盛りだくさん。町を巡る子どもたちや行き交う人の声が響き、界隈に活気が溢れます。
ゴールの岐島屋ではスタンプラリー参加者に景品が配られ、一つひとつ心を込めて縫い上げたつりびなを購入したり、つりびな作り体験をしたりすることができます。

地元の女性たちの手によって
吹き込まれる、新たな命

つりびな小町めぐりは、旧街道沿いで商家が多いこの町の元気な女性たちが発起人となり、2007年に誕生しました。市民団体「いき粋墨俣創生プロジェクト」が企画・運営を手がけ、以下のテーマに基づいて開催されています。
・墨俣界隈の大垣市景観遺産群や自然を舞台に、地域の良さを再発見する
・着物の古布をつりびなに再生し、日本伝統の造詣の美しさや情緒を子ども達へ伝える
・家庭優先で生きてきた世代の女性をエンパワーメントする
・つりびな作り、飾る過程で高齢世帯や独居の方々を見守る
・つりびな作りを通じたアンチエイジングの促進
「人々の喜ぶ顔が原動力」であるこの祭りは、他者と織りなす人生の幸せと豊かさに感謝する祭りでもあります。
活気ある街道を支えてきた町のおもてなしDNAは、ボランティアや有志に今もなお、色濃く受け継がれています。

お問い合わせ

主催:岐阜大垣・美濃路すのまた協議会
e-mail:info@gifuogaki.com